教職大学院での学び
Education

学校実習

教職大学院の学校実習

教職大学院における学校実習は、大学院での学びの中核となるものです。
学部新卒学生においては、学校における教育活動や実務全般について総合的に体験し、授業や学級経営に関する基本的なスキル等を身に付けること、各自の課題解決研究の課題を発見するとともに、課題解決研究で検討した理論に基づいた授業実践を行うこと、現職教員学生については、自らの実践を省察し、その実践知を大学での学びや課題解決研究を通じて言語化・理論化し、言語化された理論をさらに自ら実践することで、より新しい教育アプローチを開発することを目的として学校実習科目を開設しています。

表 教職大学院における学校実習

  1年次 2年次
学校マネジメントプログラム※1
  「教職専門実地研究Ⅲ」(6単位) 「教育課題発見実地研究」(2単位)、「教育課題解決実地研究」(2単位)
教科教育・特別支援教育プログラム※2
学部新卒学生 「教職専門実地研究Ⅰ(特別支援教育教職専門実地研究Ⅰ)」(5単位) 「教職専門実地研究Ⅱ(特別支援教育教職専門実地研究Ⅱ)」(5単位)
現職教員学生 「教職専門実地研究Ⅳ」(8単位)※3 「授業改善実地研究(特別支援教育授業改善実地研究)」(2単位)
附属学校教員特別プログラム※4
  「教職専門実地研究Ⅴ」(10単位)※3  

※1 学校マネジメントプログラムは、教育研究業績等により短期履修可能。その場合、「教育課題発見実地研究」と「教育課題解決実地研究」を1年次に実施、「教職専門実地研究Ⅲ」を免除する。
※2 言語・文化・社会グループ、自然・生活グループ、芸術・身体・特別支援グループの3グループからなる。
※3 教育研究業績等により免除可能。
※4 修業年限について4年間の長期履修を基本とする。

学校実習と振り返り

学校実習は、年間を通じて行い、大学における合同振返りや中間報告会、成果報告会などで自らの実践を振り返りながら実施します。

学校マネジメントプログラムの実習

学校マネジメントプログラムでは、自律的な学校運営と学校マネジメントを担うミドルリーダー(学校のミドルリーダー)、管理職候補、指導主事等の養成を目的としています。そこで、「教育課題発見実地研究」、「教育課題解決実地研究」、「教職専門実地研究Ⅲ」では、学校のミドルリーダー、管理職、指導主事等のいずれかを視野に入れた研究計画を立案するとともに、それに対応した実習内容を個別に調整していきます。みなさんの、これまでの教職キャリアを省察し、学校あるいは教育委員会、教育センター等における教育実践上の課題を探索する中で、自己の研究テーマを設定し、理論を基に課題解決のための計画を立てて、解決に向けた実践に取り組むことを目的とします。

実習の概要

  • 「教育課題発見実地研究」(4~7月)、2単位

    学校のミドルリーダー、管理職、指導主事等の役割や業務等を踏まえて、学校や地域の教育課題を発見しそれに対応した研究主題、研究計画及び実習の構想を計画します。年間60時間(1日6時間×10日)

  • 「教育課題解決実地研究」(8~1月)、2単位

    課題解決につながる取組を計画し、それに基づき具体的な取組を実践し、それら実践の成果や課題を評価します。年間60時間(1日6時間×10日)

  • 「教職専門実地研究Ⅲ」6単位 ※教育研究業績により免除可
    • 自らの教育実践を振り返り、理論と結びつけながら、授業等の在り方を分析します。
    • 定期的に、授業の映像を持ち寄り、教員と学生でカンファレンスを実施します。
    • 自らの授業力量を高める取り組みだけでなく、校内の教師の関係性を構築し、校内に同僚性の基盤を作り、授業改善の取組を促進することにも寄与できるようにします。
    • 年間 180 時間実施(1日6時間×30 日)

「教育課題発見実地研究」、「教育課題解決実地研究」へと続きます。

教科教育・特別支援教育プログラムの学校実習

教科教育・特別支援教育プログラムでは、確かな学力の育成とそれを保障する授業改善や多様なニーズに適切に対応できる教師力を育成するための年間を通した学校実習により、教科・特別支援教育における授業力・実践力の向上だけでなく、学級経営や校務分掌についても経験し、教員の仕事の全体像を理解することで、「総合的な教師力」の育成を図ります。また、学校課題解決研究にむけての課題発見と学校課題解決研究で検討した課題解決のための実践を行います。

実習の概要

学部新卒学生

  • 「教職専門実地研究Ⅰ(特別支援教育教職専門実地研究Ⅰ)」(1年次)、5単位

    教科・特別支援教育における授業力と総合的な教師力の向上に取り組みます。年間150時間(1日6時間×25日)

  • 「教職専門実地研究Ⅱ(特別支援教育教職専門実地研究Ⅱ)」(2年次)、5単位

    総合的な教師力と課題解決研究のテーマに基づく授業実践・改善力等に取り組みます。年間150時間(1日6時間×25日)。また課題解決研究A・Bの履修と関連させてアクションリサーチ的な実践研究等(修士論文相当)に取り組むことも可能です。

現職教員学生

  • 「教職専門実地研究Ⅳ」(1年次)、8単位

    ※教育研究業績により免除可定期的な授業観察及び参与を通して、授業改善に関わる課題を明確化し、観察及び学習成果を元に、指導計画、指導案の作成、授業実践等を行い、リフレクションを行います。自らの実習を記録し、理論と結びつけながら、学校課題(研究課題)解決に向けた授業等の在り方を分析します。年間、240時間(1日6時間×40日)

  • 「授業改善実地研究(特別支援教育授業改善実地研究)」(2年次)、2単位

    自らの実習を記録し、理論と結びつけながら、学校課題(研究課題)解決に向けた授業等の在り方を分析します。また、校内の教師の関係性と同僚性の基盤の構築と、授業改善の取組促進への寄与を目指した実習を実施します。年間60時間(1日6時間×10日)

附属学校教員特別プログラムの学校実習

  • 「教職専門実地研究Ⅴ」 10単位

    ※教育研究業績により免除可定期的な授業観察及び参与を通して、授業改善に関わる課題を明確化し、観察及び学習成果を元に、指導計画、指導案の作成、授業実践等を行い、リフレクションを行うなど総合的な教師力および実践的な研究力を目指します。年間300時間(1日6時間×50日)

連携協力校

学校実習は連携協力校で実施します。連携協力校は、横浜国立大学教職大学院と連携を結んでいる学校です。また、院生の居住地や就職希望自治体、実習内容によっては、連携教育委員会から連携協力校を選出いただく場合もあります。上記の他、現職教員の原籍校が2年程度(長期履修学生の場合は在学期間)連携協力校となります。
また、学校マネジメントプログラムの管理職候補(トップリーダー)、指導主事(エリアリーダー)については、連携協力校あるいは連携する教育委員会、教育センター等で学校実習に取り組みます。

地域の教育課題解決に向けて

本教職大学院の学校実習において取り組む課題には、各学校の課題解決、そのための研修活動などがあります。研究活動に対し、様々な形で協働・支援を行い、同時にこれらの取り組みを教職大学院の授業で取り上げ、異なる地域から派遣された現職教員学生などの間で共有するとともに、課題解決に関連する各地域の取り組み等を紹介し、大学教員とともに理論的な分析と考察を加え、その成果を提案の形などで連携協力校に還元していきたいと考えています。

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