教職大学院について
About Us

教職大学院の目的

1.本教職大学院の再編(新・教職大学院のスタート)‐教職大学院の使命や教職大学院が目指すもの‐

令和3年4月からスタートする新教職大学院は、これまで本教職大学院と県内教育委員会とが教職大学院諮問会議や教員研修の高度化検討委員会で、神奈川の教育課題とその解決策について協議を重ねてきました。
その理念及び目的とは、以下の「達成すべき成果」3点をあげることができます。

2.新教職大学院の2つのプログラム

(1)【高度専門職人材の育成拠点】
年間の学習によって、高度な専門性を習得した「高度専門職人材」の育成を実現することで、神奈川県内の学校改善・授業改善に貢献します。

(2)【先端知識の生成拠点】
課題研究と実習科目との連動によって、実践的有用性の高い「先端知識を生成」し、その知識を、教職大学院研究発表大会や学会において報告し、国内外、及び、地域社会に還元します。

(3)【神奈川の教育改革拠点】
神奈川県内各教育委員会及び各教育センターとの連携協働を通して、神奈川県内の様々な「教育改革」課題を共同で探究し、改革案を提言します。

都市型の地域密着型大学として、更に神奈川県の教育に貢献できる質の高い教員養成を実現するために、中核となる教育学研究科を改組し、本学の「新・教職大学院」は、「学校マネジメントプログラム」と「教科教育・特別支援教育プログラム」の2つのプログラムに再編することとしました。
それらの各プログラムの「学修コンテンツ」「学修システム」の特徴は、以下の通りです。

学校マネジメントプログラム

学校主任層(ミドルリーダー)、管理職候補(トップリーダー)、指導主事(エリアリーダー)等の養成を主な目的とし、神奈川県内の教育委員会から派遣された現職教員を対象とした1年間の短期履修プログラム。

図. 教職大学院の学びの1・2・3次円構造

1)「学修コンテンツ」:学校マネジメント1次円(児童生徒の育成等)、2次円(教職員の育成・組織改善等)、3次円(保護者・学校外組織との連携等)の改善をリードする学修内容。

2)「学修システム」:教育センター等における指導主事実習、及び、管理職シャドーイング等の学校実習で得た体験知を研究化する「ティームティーチング」システム。

教科教育・特別支援教育プログラム

学校現場においては、学習内容の系統性や教科の本質を理解して子供たちに新たなものの見方を促す課題探究を行う授業や教材の開発が必要とされています。確かな学力の育成と、それを保証する授業改善や多様なニーズに適切に対応できる教員の養成を行うことを目的とするプログラム。

1)「学修コンテンツ」

  • 「教科専門」と実践性を担保した「教科教育」の融合を志向した内容。各教科等における教材デザインや授業デザインを実践と結び付けて学修できる科目を設定。
  • 教科の専門性を高める、実践力の向上を図る、教科横断的な学びの充実、実践研究力の向上など、多様なニーズに対応した内容。

2) 「学修システム」

  • 学校実習科目と講義、課題研究を関連付け、実習及び課題研究の計画と省察を、全体指導、共通指導、個別指導を組み合わせて行う体制により、多様な考えに触れながら理論と実践を融合。
  • 現職教員、様々な専門性を有する教員志望の学生が集うことで、多面的・多視点での学びを実現。
  • プログラムを「言語・文化・社会」「自然・生活」「芸術・身体・特別支援」の3つのグループで構成し、実習、課題研究等の共通指導もグループ別に実施。

3.新教職大学院で養成しようとする教員像

これまで取り組んできた育成する教員像に加え、更に、本学の新教職大学院で養成しようとする教員像として、理論と実践を融合・往還する「バイリンガル教師」を目指している点も特記事項と成り得ます。

図. 理論と実践の融合・往還/バイリンガルティーチャ―の構造

その「バイリンガル教師」とは、必要場面・状況に応じて、「理論的言語と実践的言語」を柔軟に使用できる教師の資質・能力観のことであり、二つの言語を往還したり、融合したりできる教師像のことでもあります。
例えば、教職大学院の学びを学校現場に還元する際、「理論的言語」でそのまま伝えても周囲からの理解を得難い場合もあります。そこで、「理論的言語」から周囲が理解しやすい「実践的言語」へ通訳できる演繹的能力が必要となり、一方、大学院、及び、関係学会などの専門的場面では、学校現場が抱える「実践的言語」を整理・総括する「理論的言語」を操る帰納的能力も重要です。

また、本学の院生指導観は、以下の4つの実態(タイプ・ニーズ)に対応するように配慮しています。

表. 院生のタイプ・ニーズに対応する指導観

以上の観点に鑑み、本学「教職大学院で養成しようとする教員像」「理論と実践の往還・融合」を実現する「バイリンガル教師」を目指すものと位置づけ、各院生のタイプ・ニーズに対応する指導観を確立しています。

4.YNUの基本理念(横浜国立大学憲章)と教職大学院 -博士課程への進学を可能とする学術論文指導-

横浜国立大学は、現実の社会との関わりを重視する「実践性」、新しい試みを意欲的に推進する「先進性」、社会全体に大きく門戸を開く「開放性」、海外との交流を促進する「国際性」を、建学からの歴史の中で培われた精神として掲げ、21世紀における世界の学術研究と教育に重要な地歩を築くべく、努力を重ねることを宣言しています。この理念を実現するために以下のことがらを長期の目標として定めました。

表. YNU4つの基本理念・目指す組織の姿

これを教職大学院の文脈で再解釈するとき、「国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書(H29年8月)」で指摘された「日本型Ed.D」を見据えた研究指導の取り組みも進めています。

これは、修士論文相当の教育機会を保証しつつ、修了生が博士課程を経るなどして、教職大学院教員に就く等のキャリア形成の実現を目指す場合も考慮して、教育実践を対象とした研究力を培う学修機会を保証し、学術論文の指導体制を整えています。その概要は以下の通りです。

表. YNU4つの基本理念と教職大学院の姿
図. YNU4つの基本理念と教職大学院の構造

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