プロジェクト研究
ここでは教職大学院がこれまでに取り組んできたプロジェクト研究について紹介します。
教職員支援機構による教員の資質向上のための研修プログラム開発・実施支援事業
NITS 独立行政法人教職員支援機構では、「教員の資質向上のための研修プログラム開発・実施支援事業」を行っています。教職大学院ではこれまで平成31年度(2019年度)、令和2年度(2020年度)において申請した事業が採択されました。
令和2年度(2020年度)
プログラム名「「学び続ける教員」を育む研修と研修体系の開発と実践~個々の自己成長を促す「セルフマネジメント」力の確立~」連携:横浜市教育委員会
近年、業務や組織等の学校の教職員を取り巻く学校の変化から、校内OJTや研修の在り方をめぐる状況はより複雑になっています。雇用形態、キャリア、価値観、働き方、プライベート(育児/介護)などのダイバシティも高まっています。また、働き方改革により、新しい働き方が求められ、業務デザインの見直しも行われています。これらに対応しつつ、人材育成を行っていくことはこれまで以上に困難になっています。これまでのように、教育委員会等が、画一的な育成プログラムを用意し、一方的に提供して、すべての教員が同じような流れで研修を受講することは、限界を迎えつつあります。このような多様化に対応していくためには、すべての教員が、「学び続ける教員」として、それぞれの置かれた状況や考えに基づき、教員としてどのように専門性を向上していくのか、自己のキャリアを描き、実行していくことが求められます。本事業では、横浜市教育委員会と連携し、このような自己キャリアの設計と実現に向けての行動をセルフマネジメントと定義し、これからの学校における「学び続ける教員」を育む研修と研修体系の開発と実践を行います。具体的には、セルフマネジメントに基づく研修の体系化を行い、そのプログラムの開発に取り組みます。
平成31年度(2019年度)
プログラム名「人材育成指標における第3ステージの教員(組織的な運営を行う教員)の教職キャリア開発研修プログラムの開発」連携:横浜市教育委員会
人材育成指標にもとづく教員の育成が進んでいく中で、これまでその対象は初任期や中堅期などのキャリアステージがミドルクラスまでのことが多かったといまえます。その後は、主幹教諭などの職位がついた教員や副校長・校長といった管理職の場合においては研修が実施されているものの、指標における第3ステージと呼ばれる経験が豊富で組織の運営を担う教員についてはほとんど研修が行われてきませんでした。しかし、教員の年齢構成が大きく変化する中で、組織マネジメントの重要性が高まっており、第3ステージの教員は組織の核となることがこれまで以上に求められています。第3ステージのそれぞれの教員がこれまでの経験(強み)をいかして、人材育成やカリキュラムマネジメント、学校の運営に携わっていく必要があります。そこで、本事業では、第3ステージの教員を対象とした教職キャリア開発研修を開発します。研修に参加した個々の教員が人材育成指標をもとに自身の強みと課題を把握し、今後学校にどのように関わっていくのか展望をもち、具体的なキャリアプランを立て、第3ステージの教員として、校内に貢献できるようになることを目指します。