教科教育・特別支援教育プログラム
学校現場においては、学習内容の系統性や教科の本質を理解して子どもたちに新たなものの見方を促す課題探究を行う授業や教材の開発が必要とされます。本プログラムは、確かな学力の育成とそれを保障する授業改善や多様なニーズに適切に対応できる教員の養成を行うことを目的としています。
プログラムは、「言語・文化・社会」「自然・生活」「芸術・身体・特別支援」の3つのサブグループで構成されています。
言語・文化・社会グループ
本サブグループは、国語・英語・社会・生活科の各実践分野から構成されています。言語・コミュニケーションや文化、社会認識や人々の生活・活動・経験のあり方に関わる様々な学術分野の知見を踏まえながら、理論と実践との往還の中で学修を進めます。これによって、教科内容研究・教材開発のみならず、学校現場の抱える課題の解決に向けてそれらを生かすための授業デザインを探究します。またそのような授業デザイン にとって有意義な理論知と実践知を見出していきます。それにより、言語・文化・社会系教科に関わる高い専門性の獲得と、教育実践力の向上を目指します。
自然・生活グループ
本サブグループは、数学・理科・家庭科・技術の各実践分野から構成されています。人間社会と科学、生活課題の解決などに関わる様々な学術分野の知見を踏まえながら、理論と実践との往還の中で学修を進めます。これによって、教科内容研究・教材開発のみならず、学校現場の抱える課題の解決に向けてそれらを生かすための授業デザインを探究します。またそのような授業デザインにとって有意義な理論知と実践知を見出していきます。それにより、自然・生活系教科に関わる高い専門性の獲得と、教育実践力の向上を目指します。
芸術・身体・特別支援グループ
本サブグループは、音楽・美術・保健体育・特別支援教育の各実践分野から構成されています。感性や創造性、心身の健康や発達、共生社会などに関わる様々な学術分野の知見を踏まえながら、理論と実践との往還の中で学修を進めます。これによって、教科内容・支援内容・教材開発と、それらを生かした授業デザインを探究します。またそのような授業デザインにとって有意義な理論知と実践知を見出していきます。それにより、芸術・保健体育・特別支援教育に関わる高い専門性の獲得と、教育実践力の向上を目指します。
カリキュラム(各サブグループ共通)は図1のようになっています。
図1 教科教育・特別支援教育プログラムの教育課程
本プログラムの「学修コンテンツ」と「学修システム」の特徴は、次の通りです。
学修コンテンツ
- 教科内容を探究する「教科専門」と、実践性を担保した「教科教育」の融合を志向した内容です。各教科等における教材デザインや授業デザインを実践と結び付けて学修できる科目が設定されています。
- 教科の専門性を高める、実践力の向上を図る、教科横断的な学びの充実、実践研究力の向上など、多様なニーズに対応できるものとなっています。
学修システム
- 学校実習科目と講義、課題研究を関連付け、学校実習及び課題研究の計画と省察を、全体指導、共通指導、個別指導を組み合わせて行う体制により、多様な考えに触れながら理論と実践を融合させていきます。
- 現職教員、様々な専門性を有する教員志望の学生が集うことで、多面的・多視点での学びが可能です。
- 現職教員の学生に対しては、長期履修学生として在籍できる制度や、1年次はフルタイムで就学し、2年次は在籍校に勤務しながら必要な指導を受けられる制度を設けています。
- 中高免許のみ所持しており、入学後に小学校教員免許取得を希望する学生に対して、学部授業を履修することで小学校教員免許の取得が可能となるプログラムを設定しています。
一種免許取得プログラムと、二種免許取得プログラムを用意しています。
- 一種免許取得プログラム:標準修業年限3年、1年目は免許取得に必要な学部授業を履修
- 二種免許取得プログラム:標準修業年限2年、教職大学院の学修と並行して履修
本プログラムの履修モデル
図2 教科教育・特別支援教育プログラムの時間割の例1
図3 教科教育・特別支援教育プログラムの時間割の例2
(特別支援教育で、修士論文相当の論文作成を行う場合)
図4 教科教育・特別支援教育プログラムの時間割の例3
(学校実習科目8単位分を免除された現職教員学生が、「14条特例」で学修を行う場合)
*「14条特例」とは、「大学院設置基準」第14条の特例(現職教員の教育方法の特例)による教育方法の実施のことです。教科教育・特別支援教育プログラムに入学する現職教員学生については、この特例を活用し、1年次はフルタイムで就学し、2年次は在籍校に勤務しながら課題研究等の指導を受けることが可能です。